友人が本を送りつけてきた。あまり仲がよかったわけではない。
むしろ,彼は僕のことが嫌いだったし,僕は彼のことが大嫌いだった。互いに互いが何を言っているのか分からない・・正確には,分からないのではなく認めたくなかったのだ。だから,周囲は僕らは仲が悪いと思っていたし,僕達はそれを否定しなかった。
だから,18年前,僕らは「じゃあな」と分かれた。それ以来,口もきいていなかった。連絡もなかったし,しなかった。
コロナ禍だから,というわけではないけれど,昨年末,突然,連絡があった。僕らは「元気だったか」とも言わず,「今,どうしているの」とも話さず,ちょっともめた。なかよく言い争いをした。
今日,30日,この本が届いた。チョムスキーの新刊だ。現在,90歳をこえる偉大な思想家のことを彼に教えたのは僕だった,むかしむかしのことだ。けれども,偉大な哲学者がこんな本を著したことを,僕は知らなかった。現役であるを知らなかった。彼は知っていたのだ。僕がそのことを知らなかったことを攻めてきたのだ。
はやく読み終えて,喧嘩しなければならない。
彼とは仲がよいわけではない。けれども,大切な友人なのだ。
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